VDT症候群について

近年、コンピューターやスマートフォンの普及に伴い、長時間画面を見続けることが日常化しています。しかし、このような状況は目や肩、首などのトラブルを引き起こすことがあります。それがVDT症候群です。

VDT症候群(Video Display Terminal Syndrome)とは、パソコンやスマートフォンなどのディスプレイを長時間使用することによって引き起こされる一連の症状のことを指します[1]。VDT症候群の症状には、以下のようなものが含まれます。

  1. 目の症状: かすみ目、乾燥、充血、疲れ、ピント調節の困難
  2. 首や肩の痛み、こり
  3. 手や腕の痛み、しびれ
  4. 頭痛
  5. 疲労感

VDT症候群を予防するためには、次のような対策を取ることが効果的です[2]。

  1. 適切な画面の明るさとコントラストを設定する
  2. 適切な姿勢で作業を行い、肩や首に負担をかけないようにする
  3. 定期的に画面から目を離し、遠くを見ることで目の筋肉をリラックスさせる
  4. 作業の合間にストレッチや歩くなどの軽い運動を行う
  5. 適切な環境(照明、湿度、温度)を整える

また、企業の方々には、従業員のVDT症候群に対する理解を深め、適切な職場環境を整備していただくことが重要です。そのために、以下のような取り組みを検討してみてください。

  1. VDT症候群に関する研修や情報提供を行う
  2. 職場内での適切な休憩スペースを設ける
  3. エルゴノミックなオフィス用品(椅子やデスク、キーボードなど)を導入する
  4. 作業環境を適切に整備し、従業員の健康を維持・向上させるための取り組みを推進する

私たち産業医は、企業様がVDT症候群対策を実施する際のサポートも行っております。適切な取り組みによって、従業員の健康を守り、生産性の向上につなげることができます。もし何かご相談やお困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

参考文献

[1] Bergqvist, U., & Knave, B. (1994). Eye discomfort and work with visual display terminals. Scandinavian Journal of Work, Environment & Health, 20(1), 27-33.

[2] Nakazawa, T., Okubo, Y., Suwazono, Y., Kobayashi, E., Komine, S., Kato, N., … & Nogawa, K. (2002). Association between duration of daily VDT use and subjective symptoms. American Journal of Industrial Medicine, 42(5), 421-426.

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール